高校3年の冬だった。
当時、付き合っていた彼女とセンター試験目前、夜中にデートをした。
ちょうど、しし座流星群が150年ぶり?だったかに大極を迎えるとかで、ニュースでも「流星雨」を見られると騒いでいた時だった。
相変わらず、天気は悪かったが未明、月が見えるころだっただろうか。
魔法瓶に入れてきたコーヒーを飲みながら、二人してまだかまだかと空を焦らす。
彼女が「あっ!」と声を漏らした。僕はよそ見をしていて見えなかった。確かに流星は空に舞っていたのだ。

二人で一緒に「結婚できるように」と願いごとをすることを決めていた。(今から思えば、本当若かったなぁ・・・)
30分程時はたち、二人で声を上げたとき、将来きっと願い事はかなうだろうと確信していた。

思えば、高校時代の甘酸っぱい思い出は本当の意味での青春だったのかもしれない。
学校帰りの公園でキスをして、小学生に冷やかされたこと
ラブホテルに生徒手帳を置き忘れ、謹慎処分を食らったこと

結局、最初で最後の最愛の彼女とは、大学進学とともに交際がなくなった。僕は関西へ、彼女は九州へ それぞれ別の道を歩むことになったのだ。
彼女が岡山を出る日、駅まで見送った。
「絶対遊びに行くけんな!」
「絶対結婚しような?」
ドアが閉まる前にキスをした。それが最後だった。

結局、二人はそれ以来、会うこともなく時間と共に思い出だけが残った。自分の怠慢と言えばそれまでだが、ケータイも何も持ってなかったあの頃、距離というものだけが僕らの障害だった。

今日、流れ星を見た。
歳を取ってしまったのだろうか、ため息が自然と出る。

若かったあの頃、もう戻れない。

(秘密日記にオチを書くことにしました)

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